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高本 香織 准教授

高本 香織 准教授

英語教育専攻
高本 香織 准教授
TAKAMOTO, Kaori
米国アリゾナ州立大学大学院コミュニケーション学博士課程修了。Ph.D.(Communication)取得。研究テーマは「異文化適応とアイデンティティ」。外国語青年招致事業(JETプログラム)で来日した英語圏出身の外国語指導助手(ALT)たちの意識を調査するなど、異文化コミュニケーション研究に取り組んでいる。

日本の医療看護・福祉分野で働く外国人スタッフの異文化適応をリサーチ

日本の大学に在学中、海外研修でニュージーランドを訪れたとき、初めて英語をコミュニケーションツールとして実際に使ったことで、その面白さに目覚めました。同時に異文化適応の問題にも関心を持つようになり、私たち日本人が当たり前のことと思っていることが、外国人にはそう受け取られないという事実に気づきました。

現在、調査研究を進めているのは、EPA(経済連携協定)で来日し働いているフィリピン人やインドネシア人の看護師、介護福祉士の異文化(日本の文化や習慣など)適応の実態です。看護や介護福祉の仕事は、患者や対象者への対人能力が非常に重要視されており、日本語が十分に理解できておらず、日本の生活文化に馴染んでいない外国人に医療・福祉分野の業務が勤まるのだろうか。そう言った懸念の声が上がっていますが、本当はどうなのか調べているところです。

研究にあたって質的研究手法を採用し、当該調査対象者にインタビューを行い、各人から細かく深くヒアリングしました。一般に患者やスタッフとのコミュニケーションが難しいのでは、と思われていますが、彼女たちの意識は日本人の思い込みとは違ったものでした。彼女たちは母国や他国で看護や介護の経験を持つプロフェッショナルです。しかし、日本の看護師国家資格などを取得していないため、現場では助手的な仕事(ベッドメイク、給食、排泄ケア、入浴介助など)に従事しており、プロとしてやってきた実績を否定されたように感じて、自らのアイデンティティを取り戻したいと、もがいている姿が見えてきました。また、日本人は言葉に出して他人をほめたり、指摘することが苦手な国民ですが、そのことが彼女たちのコミュニケーションをより困難にしているということがわかりました。つまり、仕事のうえで良いところは良い、悪いところは改善しなさいともっとフィードバックがあればより働きやすくなるのでは―というものでした。

さらに研究を進め、医療・福祉の現場で日本人と外国人がお互いを理解し合って協働できる環境づくり、外国人スタッフの受け入れ態勢のノウハウ構築に役立つ研究成果を提供するのが目標です。グローバル社会にあっては、多角的にさまざまな事象や物事をとらえることが重要です。英語は異文化理解を促すための力強いツールになります。