1. ホーム>
  2. 教員・院生・OBインタビュー一覧>
  3. 言語教育研究科:教授>
  4. 岩澤 知子 教授

岩澤 知子 教授

岩澤 知子 教授

岩澤 知子 教授
IWASAWA, Tomoko
ボストン大学大学院宗教学科博士課程修了、ボストン大学大学院哲学科修士課程修了、大阪大学人間科学部卒業。著書に、Tama in Japanese Myth: A Hermeneutical Study of Ancient Japanese Divinity (2011年)、Philosophical Faith and the Future of Humanity (共著・2012年)、「『日本文化論』を通して考える異文化理解の困難と可能性 -『 菊と刀』と『アメリカの鏡・日本』の比較分析」(『比較文明研究』第17号・2012年)など。

異文化との比較で
深く理解する日本の思想

グローバルな視野で対話できる人材を育てるのが、比較文明文化専攻の教育研究の目的です。さまざまな専門の教員が多様な視点で、異文化理解を深める研究に取り組んでいますが、私の専門は宗教学であり、さまざまな宗教現象や宗教的シンボル、さらには神話をテーマに、各民族の比較研究を行っています。たとえば神話は「人類最古の哲学」として、それぞれの文化の思考様式の基層をなしています。どの神話も、世界の始まりや、世界の秩序がどうやって形作られてきたかを語るわけですが、その語り方は様々で、それぞれの民族が伝統的に育んできた世界観・人間観・自然観の違いや共通性をそこに見出すことができます。「神話を解読する」という行為は、したがって、「それぞれの民族の深層心理に迫る試み」とも言えるのです。

今は日本とは何かを把握するため、現存するわが国最古の神話『古事記』などをひも解き、日本文化の重要な基幹の一つである神道がどのような宗教思想 ‒ 道徳観・生命観・死生観・他界観 ‒ を展開したのかを、民俗学の知見なども交えながら探っています。とくに一神教であるユダヤ・キリスト教との比較において、日本を理解することに努めています。
今の日本では、自分は無宗教だと思っている人が大半のようです。この現象は、敗戦後にGHQ が発した神道指令によって厳格な政教分離がもたらされ、日本人がそれまでの宗教的伝統と切り離されたことにひとつの原因があるでしょう。しかし、日本人は本当に無宗教なのでしょうか?日本社会に深く根ざした宗教的伝統を明らかにし、その伝統の国際的な意義を探究する必要性を、今、強く感じています。