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髙 巖 教授

髙 巖 教授

髙 巖 教授
TAKA, Iwao
早稲田大学大学院商学研究科博士課程修了、博士(商学)。京都大学経営管理大学院客員教授のほか、国民生活審議会専門委員(内閣府)、運輸審議会専門委員(国交省)、産業構造審議会保安分科会委員(経産省)などを歴任。SCCE国際企業倫理コンプライアンス賞受賞(2008年)。著書に『ビジネスエシックス』日本経済新聞出版社(2013年)など。

時代とともに変遷する“あるべき”企業倫理の確立に向けて

企業倫理をめぐる価値論を一貫して研究してきました。現在の研究テーマは2つ。まず共同研究として「日本航空の経営破綻と再生」をテーマに取り組んでいます。同社は、経営再建を要請された京セラ創業者の稲盛和夫氏が会長に就任後、会社更生法の適用からわずか2年8カ月でV字回復をし、見事に再上場を果たしました。稲盛氏たち経営再建チームは、国家権力によるマーケットへの介入を否定する自由至上主義と、社会的公正を重んじる社会自由主義が浸透していた職場に、第3の社会哲学と言える共同体主義を導入し、従業員の意識改革に成功しました。研究では日本航空の協力を得て、従業員へのインタビューや各種データの分析などで、経営再建のプロセスを検証しようと考えています。

2つ目の研究テーマは「海外腐敗問題」。主に民間企業から外国公務員への贈賄問題に切り込み、グローバル時代にふさわしい企業倫理のあり方を追究しています。これまで日本企業は、国内法を意識したコンプライアンスや内部統制の体制を築いていれば十分でした。しかし年々、海外での売上比率が高くなり、また従業員の割合が大きくなっており、諸外国の法律(とくに、米法、英法)を遵守しなければ、莫大なペナルティが科せられる時代になっています。相反する社会哲学である自由至上主義と社会自由主義ですが、前者は市場取引においてルール違反は許さない、後者は社会的弱者が不利益をこうむることは許さないという立場から、私企業による政府高官などの買収行為を禁止します。日本企業はこの問題に真剣に立ち向かう必要があり、私としてはグローバル時代のあるべき企業倫理の確立に寄与する研究成果になると思っています。