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猪股 来未 さん

猪股 来未さん

日本語教育学専攻
博士後期課程3年
猪股 来未さん
INOMATA, Yukimi

本学外国語学部英語学科卒業後、日本語教育能力検定試験に合格し、民間の学校で日本語教師として勤務。その後も香港の日本語学校や東京都内の日本語学校で経験を積む。日本語教育の一層の専門性を高めるために本学大学院に入学。博士後期課程に在籍して研究を進めながらも、本学外国語学部および東京大学日本語教育センターの非常勤講師も務め、教育現場にも取り組んでいる。

指示詞で知る、日本語習得の奥深さ。正解がないのが研究の面白さです。

第二言語習得の分野で、私は日本語の学習者が日本語の指示詞をどう使うか、どう扱うかを研究しています。指示詞の研究というと、学習者が「コ・ソ・ア」の3 項をどう対立させて使用しているのかに目が向きがちですが、実際の使用を見てみると、「こう」「そう」など、指示詞の語彙形式が、初めのうち決まった文脈の中で決まった形で使われており、私は指示詞の語彙形式一つ一つが文脈の中でどう使われ、習得の過程でどう変化しているかという点に興味をもちました。

今まで日本語教師として教室で教えてきた中でも、指示詞の3項の対立を明示的に教えていましたが、学習者が教えた通りに使っていないのは、学習者はこちらが出したルールのみを適用して使用しているわけではなく、文脈に合わせて表現として使い、発達させているからかもしれません。こういう現象が起こっていることを知ったうえで授業をすると、学習者と教授者のお互いのストレスがなくなっていくのではないかと思います。この研究が教室で教えていく上での手がかりや橋渡しになればと思っています。

また、研究は今まで明らかになっていないことを明らかにすることであり、正解がありません。正解だと思われているものでも、見方によっては変わり、最先端の研究で議論されていることもあります。学部で学んだことと院で学ぶことの違いはまさにそこにあるのではないでしょうか。そのような最先端の研究に触れ、広い視野の中で自分の見方を育てていけることが、院で学ぶことの面白さにつながっていると思います。