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2007/10/01

タイ北部で言語調査研修

日本語教育学専攻の坂本比奈子先生引率のタイ北部での言語調査研修が昨年度に引き続き今年度も7月28日から8月13日にかけて行なわれました。以下は、参加した田中博之さんの感想です。調査以外にも、チェンマイラチャパット大学、ラムカムヘン大学日本語グループ・ポッチャニー・シーアクソンサート教授を訪ね、タイの日本語教育について知る機会となりました。

ナーン県のムラブリ族の少女と田中さん


タイ北部のナーン県およびプレー県に生活するムラブリ族を訪れた。ムラブリ族は、もともと、タイ・ラオス国境の採集狩猟民として、山岳地帯を移動しながら生活していた。現在、タイ側に約300名が生活している。ラオス側にも20縲鰀30人が生活しているといわれている。タイに生活するムラブリ族は、狩猟採集による移動生活が難しくなってきたことから、この20縲鰀30年の間に、山地で農業を行いながら定住生活を始めた。今回の調査では、ナーン県のムラブリ族とプレー県のムラブリ族を訪問した。
ナーン県では、主にムラブリ族の生活状況の観察を行い、プレー県では、ムラブリ族の居住地内に滞在して言語調査を行った。タイ語の単語を示し、それに相当する表現を尋ねると、「今の言葉」「昔の言葉」という二通りの言葉が示されることが多かった。文字がない言語であることから、「昔」とは10年縲鰀20年ぐらい前の頃ではないかと推測されるが、話者の少ない言語の語彙が、世代とともに変化していく様子がうかがわれた。タイ語からの借用語も多く見られる。定住生活への移行に伴い、平地に生活するタイ人との交流も増えたようだ。それとともに、生活スタイルも変化してきているようである。独自の生活と文化に基づいたムラブリ語が、変わっていく様子が感じられる。いくつかの言葉が消え、それに対応する文化も消えていく、そんな感じがしてならない。

※麗澤大学大学院では、現地調査・研究活動・学会発表の際に費用の助成制度があります(上限あり)。

ナーン県農地

言語調査の様子


プレー県での織製品製作

大人も子供もパチンコで鳥を獲ります