経済研究科ECONOMICS AND BUSINESS
経済研究科 教員インタビュー
教員インタビュー
久米 虹 教授
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私は麗澤大学国際経済学部と大学院国際経済研究科修士課程を修了後、税理士としてEY(Ernst & Young)税理士法人に12年間勤務し、現在は大手電力会社にて海外約170社を対象とした「国際税務統括」業務に携わっています。また、2026年4月から麗澤大学大学院経済研究科において、大学・大学院で培った学術的基盤と実務の最前線で得た経験を活かしながら、国際税務のダイナミズムと学びの面白さを学生さんに伝えることを目指して「税理士プログラム」を専攻する学生さんを指導しています。
私のキャリアの原点は大学入学後に将来「手に職をつける」ことを志して、1年次の夏休み前から簿記の勉強をはじめたことであると記憶しています。日商簿記の3級から2級へと学びを進め、2年次の秋から大学の友人とともに簿記専門学校の税理士コースに通いながら互いに励まし合って学習を続けました。その結果、大学入学前までは簿記の存在すら知らなかった私が学部在学中に税理士試験の会計科目である「財務諸表論」に合格できました。さらに、大学院に進学した後は税法に関わる研究と修士論文の執筆に取組み、税法科目2科目の免除を得ることができました。学部在学時代を振り返ると、簿記や会計学の知識を活かして「中国と日本の経済の架け橋となる仕事をしたい」と思うようになり、次第に「国際税務」への関心が強くなったことを覚えています。学部の卒業論文では「移転価格税制」に関わる基礎的な理論や事例研究に取組み、大学院では国際税務の中核である「外国子会社合算税制:タックスヘイブン税制」の研究に従事しました。大学院では「来料加工」のビジネスモデルに関わるタックスヘイブン税制の実質課税主義や租税法律主義の矛盾に絞って研究しましたが、大学院で培った研究能力はその後の実務において大きな力となっています。また、大学院2年次にEY税理士法人においてインターンとして勤務するチャンスに恵まれたことは、研究と実務がどのように結びつくのか実際に経験する良い機会となりました。大学院修了後には正社員としてEY税理士法人の国際税務部に入社することができたのですが、その後、日系企業の中国進出支援(アウトバウンド)や中国企業の日本進出支援(インバウンド)、さらに香港・韓国・シンガポール・東南アジア諸国への投資案件など、多種多様な国際税務業務に携わりました。これまで厳しい国際税務の現場で戦い続けてこられたのは、会計や税務に関わる専門知識だけでなく、大学・大学院で鍛えていただいたロジカルシンキングやデータ分析力、問題解決能力が確実に私の武器となっているからだと思います。
経済社会のグローバル化に伴い、ビジネスの範囲は拡大の一途を辿っていますが、税務に関する知識は企業経営の重要な意思決定領域といえます。とりわけ、国際税務は世界の経済・企業活動と密接に結びつくとてもエキサイティングな分野です。麗澤大学大学院経済研究科では国際税務の理論と実務の架橋となる教育・研究を重視しつつ、単なる知識の習得にとどまらず、複雑な事象を構造化して自ら考え判断できる能力を養います。経済研究科における学びは、皆さんのキャリア形成にとって確かな基盤となりますので、研鑽を重ねて社会で役立つ知識を身につけましょう!もっと読む
坂元 利弥 教授
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私の専門は「租税法全般」に関する研究です。租税法とは、国や地方公共団体が租税(税金)を課し徴収するための要件・手続と、納税者の権利義務を定める法分野(および関連する個々の税法の総称)です。この点に関して最高裁は、「租税は国家が、その課税権にもとづき、特別の給付に対する反対給付でなく、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、一定の要件に該当するすべての者に課する金銭給付である」と述べています。日本では、所得税法・法人税法・消費税法など税目ごとの法律と、国税通則法などの一般法を併せて「租税法」と呼んでいます。
私達が生活する社会にはさまざまな税目が存在しますが、そうした税目を考える前にまず簿記の学習を心掛けるよう指導しており、とりわけ「簿記という学問を学ぶことによってお金の流れが理解できるようになる」点を強調しています。血液検査をすれば人体のことが分かるように、お金の流れが分かれば会社が儲かっているのか実態把握が可能となり、これら一連の流れを記録する仕組みが「簿記」だからです。また、大学院の講義では、各種裁判例を題材としながら「何が問題となるのか」、「法律条文にどのように定められているのか」、「その案件が条文にあてはまるのか」などの点に配慮しながら講義していますが、類似事案の裁判であっても判決結果が全く違うものも存在するため、講義においては「何故そのような判決となるのか」、「何が争点となったのか」という点から課題に接近する視点を大切にしています。
最後に、私が担当する講義の最大の特徴は、「税理士」としての経験を通して「実務」の観点を重視した議論を展開するよう心掛けている点です。中小企業の経営の現場では事業承継や相続などさまざまな悩みを抱えるケースが多く散見されるのですが、その相談相手として重要な役割を果たすのが「税理士」の存在だからです。講義においては、中小企業の経営者の方から「〇〇の相談がありました。皆さんが税理士だったらどのように回答しますか」などの実務を想定した問いかけを行うなど、常に実務で起きる問題を想定した議論を展開しています。大学院ではこれらの視点を踏まえ、税目の学習に終始するのではなく、より広い視点で租税法に関わる知識を身につけられるよう指導に取り組んでおります。もっと読む
深谷 友理 教授
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企業を取り巻く環境が急速に変化する中で持続的に成長するためには、経営者だけでなく、現場で働く従業員一人ひとりが主体的に考えて行動し、新たな価値を生み出せる組織を実現することが求められています。私は、管理会計分野におけるマネジメント・コントロール・システム(Management Control System; MCS)を専門とし、「従業員の力を最大限に引き出し、組織の成果につなげる仕組み」について研究しています。予測の難しい経営環境においては、従来のように予算や業績評価による管理の仕組みを整備するだけでは限界があることが指摘されています。一方で、単に権限を委譲し任せっぱなしにするだけでは組織全体の方向性が失われ、成果には結びつかない可能性があります。重要なのは、組織の目標と個人の行動を一致させつつ、環境変化にも柔軟に対応できる仕組みを組み込むことです。そこで、予算管理や業績評価制度だけに依存するのではなく、経営理念や価値観の共有、対話による情報交換など、さまざまなMCSが相互に作用することで、従業員の自発的な行動や改善活動が促され、組織成果の向上へとつながるメカニズムに着目し、研究に取り組んでいます。
大学院では、管理会計論を軸としながら、組織行動論や社会心理学などの多角的な視点を取り入れ、「なぜ従業員の主体的な行動が生まれるのか」「どのようなマネジメントが組織成果につながるのか」といった問いに対して、企業へのアンケート調査やインタビュー調査、統計分析などを用いて検証し、理論と実践の両面から組織マネジメントのあり方を探究していきます。企業のデータや現場の声と粘り強く向き合い、仮説を立てて検証を重ねる過程は、新たな知見を創造する力を育み、さらに企業や組織が抱える課題を多面的に捉え、根拠に基づいて意思決定を行う力を養うことにもつながります。管理会計の視点から、人と組織の可能性を探究し、企業や組織の課題解決に向けて新たな価値を生み出せるよう、意欲ある学生の皆さんとともに学び、研究できることを楽しみにしています。
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