言語教育研究科LANGUAGE EDUCATION
言語教育研究科 修了生紹介
修了生紹介
今村 泰也 さんIMAMURA, Yasunari
研究者
丁 奕春 さんDING, Yichun
企業人
萩原 匡平 さんHAGIWARA, Kyohei
高校教員
和田 素賀子 さんWADA, Sugako
日本語教師
社会で活躍する修了生の声
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研究者
国立国語研究所日本語教育研究領域 プロジェクトPDフェロー
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日本語の研究や学習をサポートする
ツールを開発し、世界に向けて発信。現在、国立国語研究所で日本語教育のプロジェクトと日本語を世界の諸言語と対照するプロジェクトに携わっています。日本語教育のプロジェクトでは、日本語学習者や日本語教師が、日本語の多義的な基本動詞の理解を深めることができるようにわかりやすく解説した「基本動詞ハンドブック」(Web上で公開)の視聴覚コンテンツ(例文の音声やショートアニメ)の開発を担当しています。これまで言語教育・研究のためのいくつかのツール開発に関わってきましたが、いずれのツールもアクセス数が多く、世界中の言語研究者や日本語教師、日本語学習者のお役に立っていることにやりがいを感じます。
大学院の一番の思い出はヒンディー語の授業。学生は私1 人で、毎回自分が読みたいヒンディー語のテキストを持参し、先生の前で9 0 分間、その内容を日本語に訳すという“苦行”を3年間続けたことです。予習がとにかく大変で、授業が終わると、緊張と疲労で汗びっしょりになりましたが、この個人指導が良い鍛練になりました。また、ヒンディー語と日本語の対照研究を行う中で、いくつかの論文を書きました。このときの研究が現在の仕事に活かせていることは、言うまでもありません。大学院は少人数教育ですから、密度の高い授業を受講できるのが魅力ですね。
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言語教育研究科 日本語教育学専攻(博士後期課程) 2014年3月修了今村 泰也 さん IMAMURA, Yasunari
大学院での研究テーマは「ヒンディー語の所有表現」。インドの主要言語であるヒンディー語には英語の〈have〉に相当する動詞がないことに着目。世界の諸言語から見たヒンディー語の所有表現の特徴や位置付けを考察した。
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企業人
三菱地所設計総務部スタッフ
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社員が働きやすい環境を整え、
社外にはホスピタリティ精神で接する。仕事内容は“モノの管理”と“サービス業務”に分類できます。まずOA機器をはじめとする備品や社用車など会社の資産管理が挙げられます。また、社屋や賃貸施設などのオフィス管理のほか、稟議書や契約書などビジネス文書の作成、回覧、保管管理も担当しています。サービス業務には、会社主催の各種パーティーなどのイベントや社員旅行の企画・運営、取引先関係への年賀状の発送も大切な業務です。総務担当というと、地味な雑用係を連想するでしょうか。実はそれは誤った認識。このセクションは全社員が働きやすい環境を整えて、業務に支障が出ないようにさまざまなサポートを行う社内のサービス部門です。
総務の雰囲気は、社外の取引先にも敏感に感じ取られるもの。ですから、コミュニケーション能力を高め、特にホスピタリティ・マインドを持って、お客様との交渉や商談に参加しなければいけません。
自分の意見を相手にわかりやすく伝える力、話し合いを円滑に進める技術は、大学院の授業で実施されたプレゼンテーションや討論の場で磨かれました。また、インタビュー調査の手法で研究を行い、分析力を高めることができました。日本の文化を理解でき、日系企業の職場環境にも早くから融け込めました。もっと読む
言語教育研究科 比較文明文化専攻(博士前期課程)2013年3月修了丁 奕春 さん DING, Yichun
大学院での研究テーマは「中国の都市における結婚難̶上海の事例を中心として̶」。放課後はほぼ毎日、図書館や院生研究室に残り、夜遅くまで研究に打ち込む。「院生たちで時間を忘れて語り合ったことは、いい思い出」と振り返る。
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高校教員
中央学院高等学校教諭
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研究してきたフォニックス指導で、
英語学習の落伍者をゼロに。高校の英語教員として教壇に立っています。英語学習でつまずく一因に、英単語の綴り字が「読めない」「発音できない」というのがあります。そんな生徒をなくしたいと思い、麗澤では、発音記号なしで英単語が正しく発音できる方法「Phonics(フォニックス)」を用いた英語教育の研究に取り組みました。その成果を受け持つ授業で実践中です。大学院で複数の大学生を対象に数カ月間にわたり、音読の発音の録音をしたり、アンケートを実施し、その結果をKJ法で分析しました。この研究に打ち込んだことでフォニックスへの理解を深めることができ、自信を持って研究成果を授業に取り入れることができています。
生徒たちはフォニックスに触れると興味を示してくれます。創意工夫して編み出した指導プランを授業で実践したとき、生徒の反応が良好で、テストの点数が上がり、音読の声が以前より大きく良い発音になり、成長する姿に接すると、教育者として大いにやりがいを感じます。
今年度から1年生のクラス担任を受け持つとともに、柔道部の顧問にもなりました。多忙な日々ですが、英語教員になれた喜びを噛みしめる毎日。現在のポジションを獲得できるように導いてくださった麗澤の先生に感謝しています。もっと読む
言語教育研究科 英語教育専攻(修士課程)2015年3月修了萩原 匡平 さん HAGIWARA, Kyohei
大学院での研究テーマは「大学生英語学習者へのフォニックス指導の効果」。調査・分析の結果、フォニックスルールの定着には長期的、高頻度の指導が必要であることなど、いくつかの結論に達し、その成果を英語教育に活用している。
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日本語教師
早稲田大学日本語教育研究センター 非常勤講師
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学ぶ側の視点を持って、日本語学習に取り組む学生たちの期待に応える。
週4日、日本語を教える90分間の授業を各2コマずつ(計8コマ)受け持っています。勤務する日本語教育機関は「学びたい全ての学生のための日本語教育を目指して」を教育目標に掲げており、多彩な教育プログラムを入学希望者に提供しています。そのためもあり担当するクラスの学生は非常に優秀で、彼らに正しい日本語を身につけてもらい、母国と日本とのかけ橋になってもらいたいという思いを持って、教壇に立っています。
担当授業「総合日本語3」は、初級学習を修了した学生が中級に進むための土台づくりという位置付けの授業ですが、ここでは調査・レポート作成が大きな比重を占めています。学生から提出された意見文やレポートへの指導、アンケートやインタビューなど調査活動に対するアドバイス、あるいはプレゼンテーションの内容の批評などを行うとき、自らが麗澤で学び、経験したことが活かせています。私自身が彼らと同じ学ぶ側であったとき、一生懸命に努力しているつもりでもなかなか前に進めず、悩み苦しみました。しかし、教授やゼミ生に励まされ、少しずつ研究を深められた喜びは忘れられません。そのときの気持ちをしっかり胸にいだき、真剣に日本語学習に取り組む学生たちのために今日も授業に向かいます。
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言語教育研究科 日本語教育学専攻(博士前期課程)2014年3月修了和田 素賀子 さん WADA, Sugako
1975年、岩手大学教育学部卒業後、2008年まで青森市で小学校教諭として勤務。2009年~’11年、JICAシニア海外ボランティアに参加。ネパールで日本語教育に携わる。大学院での研究テーマは「非漢字圏漢字学習成功者の方略に関する研究̶リソース活用についてのインタビューをもとに̶」。