去る9月16日、医療法人社団三友会 三枝病院創立55周年記念式典がオークラアカデミアパークホテルで開催され、中山特別教授が記念講演を行いました。講演の前の感謝の集いでは、36歳で開院され現在91歳のご高齢でありながらも、文字通りSuccessful Agingを実践されている三枝一雄理事長がユーモアを交えたご挨拶で会場を大いに沸かせました。
その後、座長の三枝奈芳紀院長のご紹介を受けて、中山教授は「超高齢者社会の医療とウェルビーイング~モラルの視点から~」と題し、「学長時代の海外交流体験から」、「老化と老年学」、「病気とPTG(心的外傷後成長)」という3つのトピックで、よりよき医療の在り方について講演を行いました。
講演の最後には、これからの医療には科学的根拠に基づいた医療EBM(Evidence-based medicine)と「物語に基づいた医療」NBM (Narrative-based medicine)の両方が必要である、クライアントの立場では、麗澤大学の創立者、廣池千九郎の箴言「自ら運命の責めを負うて感謝す」という態度が、医療従事者の立場では、クライアントを愛してその物語を傾聴し、EBMの視点からその正否を判断するのではなく、モラルの視点から「人生の物語」のポジティヴな書きかえを支援する態度が、双方のウェルビーイングの実現には重要である、としめくくりました。
この記念式典には前防衛大臣の浜田靖一氏、富津市長の高橋恭市氏、千葉大学医学部名誉教授の宮崎勝氏をはじめ、政界や医学界などから約90名の関係者の方々が記念式典に参加しました。
また、レセプションでは吉川みくり氏(ピアノ)、高品綾野氏(ソプラノ)、坂本貴輝氏(テノール)による記念演奏会があり、その美しい演奏と歌声で参加者全員の心を癒す至福のアトラクションも準備されていました。おひとりは袖ヶ浦市出身、お二人は県立木更津高校出身であり、このプログラム一つとっても、三枝病院が長年築き上げてきた地域社会との繋がりを感じさせるものがありました。