学校教育研究科主催による道徳教育学セミナーを12月15日(日曜日: 9時30分~12時10分)にオンラインにて実施しました。テーマは「道徳教育における防災教育の現状と課題」です。本テーマ設定の理由は、令和6年は能登半島地震の発生や南海トラフ地震情報が発表されたり各地での豪雨災害が発生したりして、防災教育への意識が高まってきたことによるものです。そのような中で、道徳教育において防災教育を考えることは意義あることであると捉えテーマを設定した次第です。
最初に静岡大学准教授・同大学現代教育研究所長の藤井基貴先生による講演を行いました。講演は「防災教育の現状と課題」「道徳科の課題と可能性」「静岡大学藤井研究室の取組」の内容について、学生の防災教育の取組などの動画も交えながら70分の講演をいただきました。その後、指定討論者として五十嵐正広氏(東邦大学非常勤講師、本研究科修了生:修論テーマは「生きて働く道徳教育~防災教育に学び、防災教育を生かす~」)、加藤敏久氏(世田谷区立砧中学校校長、本研究科在籍中)、河田光輔氏(鎌ヶ谷市立初富小学校教頭、本研究科修了生)の三人が、それぞれの立場で、道徳教育と防災教育に関わる取組について報告をしました。そして、学校教育研究科教授の鈴木明雄先生のコーディネーターによる、参会の方々も含めての全体討議を行いました。 本セミナーは道徳教育の視点から防災教育をどのように展開していくかという道筋を探ろうとしたわけですが、防災教育を入口として道徳教育を考えるという、双方向性のあり方を検討していくことの重要性が、本セミナーを通して明らかにされたように思います。この双方向性の取組によって、道徳教育と防災教育がより充実した教育として展開されていくことになります。