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比較文明文化専攻の紹介

多様な文明文化を理解し、国際社会に貢献

比較文明文化専攻が目指すものは、世界平和の礎としての比較文明学・比較文化学の構築です。
様々な文明文化を比較研究し、真の異文化理解の方法を見出し、
国際社会で貢献できる人材を育成します。

研究のポイント

4つの教育領域から比較文明学・比較文化学を構築していく

比較文明、比較文化、地域研究、言語文化の4つの研究領域があり、それぞれのアプローチから異文化の相互理解を求め、世界平和の礎を築く、比較文明学・比較文化学を構築していきます。どの研究領域においても、総合的な学問の理解や体系的なものの見方、相互比較による個別性と共通性の追究が重要な要素です。

多角的・学際的なアプローチで国際社会の平和に貢献する

世界の諸地域における異なる文明・文化の対立を解消して、国際社会の平和に貢献していくためには、相互の違いを認め合う環境作りが重要です。そのために、研究対象地域に対して多角的・学際的な視野からアプローチを行い、世界の平和と文化の保持・発展に資する教育研究職、国際機関で貢献できる人材の育成を目指します。

言語の習得や情報処理教育で側面支援教育

研究対象地域と関連する言語の習得は、研究資料の理解や様々な比較対照を行っていくためにも欠かせないポイントです。また、コンピュータを研究ツールとして活用するために、情報処理能力の習得、具体的には多言語の情報処理やコーパスを活用した高度な研究技術も重要なテーマとなります。

研究活動

多様な研究素材を駆使し、それぞれの固有文化を浮き彫りにする。

研究というと先行論文を読み込み、その論文を批判的にみたり、自分の論を展開する上での足掛かりとしながら論を立てていく工程を思い浮かべるでしょう。比較文明文化専攻では、論文資料に加え、多様な素材を研究の対象とします。古典文学の原典や、記録に残された映像、あるいは、衣装や家財道具、祭礼、方言や句碑伝承など人々の生活に根差したものも、その対象になります。ただし、こうした研究対象は単に広く集めるだけではなく、どのように系統立て、分析し、整理して論拠として扱うかが重要なポイントになります。また、そうした方法論を一年次で着実に修得し、研究に備える必要があります。

フィールドワークも研究の大きな醍醐味。

その土地固有のもので、研究の素材が研究室では手に入らない場合、あるいは実際にその場で触れてみないと、その意味や詳しい工程が把握できない場合はフィールドワークに出ることもあります。辺境の農村に分け入って、実際にそこの生活に触れながら、風俗習慣をレポートしたり、あるいは、実際に使われている物を研究室に持ち帰って文献と付き合わせてみたりと、フィールドワークは普段の研究とは違った刺激的な学びの場です。また、現地の人々に聞き取り調査やアンケートを行うこともあります。母語とは異なる言語をもつ地域が研究対象地域であれば、その地域の言語が理解できなければ調査はできません。比較文明文化専攻では、研究に入る前に対象地域の言語が習得できるよう、カリキュラムが構成されています。

研究室訪問

世界の宗教・神話を多角的に比較検討する。

iwasawa_tomoko 岩澤 知子 教授
IWASAWA, Tomoko
ボストン大学大学院宗教学科博士課程修了、ボストン大学大学院哲学科修士課程修了、大阪大学人間科学部卒業。著書に、Tama in Japanese Myth: AHermeneutical Study of Ancient Japanese Divinity (2011年)、Philosophical Faith and the Future of Humanity (共著・2012年)、「『日本文化論』を通して考える異文化理解の困難と可能性 ̶  『 菊と刀』と『アメリカの鏡・日本』の比較分析」(『比較文明研究』第17号・2012年)など

見直される心身一体の思想。

iwasawa01文明の基盤である宗教に焦点を当てて、様々な宗教の思想の違いを比較する研究室です。具体的には、それぞれの文明の中で生まれた神話に描かれている世界観、人間観、自然観の差異を文献を通して比較検討しています。その中で私が注目しているのは、西洋にはない日本独自の「心と身体は一体である」という考え方や、「あらゆる事物には魂が宿る」という思想。西洋文化が中心であった以前は、このような考え方はアニミズム(原始的な信仰)とされ、批判的に受け止められてきました。しかし現在、身体をととのえることで心をととのえるヨガや呼吸法が注目を集めているように、東洋の思想が見直されています。

相対的に見つめ、思考する

iwasawa02かと言って凝り固まった日本論や東洋思想に執着するものではありません。伝統というものは固定化したものではなく、私たちが新たに創り出していくという視点を持ち、院生には相対的に考える力を備えてほしいと思っています。その点、マルコさんの研究は注目に値します。西洋(古代ギリシア文明)と日本の神話を異界(あの世の観念)に絞って比較研究し、日本における中国文明の影響も考慮するという、従来の日本人研究者の「常識」的アプローチを打ち破った研究姿勢から、いかなる結論が導き出されるかが楽しみです。

研究室訪問

日本古来の思想を探る一つのアプローチ。

agnoletti_marcoアニョレッティ・マルコ さん
AGNOLETTI, Marco
言語教育研究科 比較文明文化専攻(博士前期課程)2年
伊ベネチア大学卒(東アジアの言語文明文化専攻)。10代半ばから日本の武士道に興味をいだき、『葉隠』など関連文献を読むうちに三島由紀夫の小説と出会い、日本文学の世界に惹かれる。卒業論文は「吉川英治『親鸞』」(イタリア語翻訳)。

中国の古典にも視野を広げて。

marco01「起源神話の比較‐日本とギリシアにおける死と異界の概念」をテーマに研究を進めています。たとえばギリシア神話では、冥界は唯一「ハデス」だけなのに、日本の神話には「黄泉の国」や「根の国」「海の底」…など多くの異界が登場します。なぜ日本人は多彩な冥界を描いてきたのかを探りたいと思ったのが、研究の出発点。今まで調べてきた中で見えてきたのは、四方を海に囲まれた日本には、古来いろんな民族がそれぞれの文化をともなって流入し、異なる文化を共存させる土壌が出来上がったのでは、という仮説。私としては日本に強い影響を与えた中国の古典書物にもあたりつつ、もともと日本に存在した死と異界をめぐる思想を見極めたいと考えています。

進学前に知っていた先生の存在。

marco01岩澤先生との出会いは麗澤に進学する前、先生が著された1冊の本でした。とても興味深く読んだ記憶があったので、日本語学校で麗澤を紹介されたとき、先生のもとで学びたくて進学しました。ゼミでは事前に毎回テーマを決めておき、それに関連する本を読んできて、わかったことや疑問点を先生と語り合っています。そこから予想していなかった方向に発展していく授業は、知的好奇心を大いにくすぐられるものがあります。